The Other Side
これを 最後の別れとしないから
その言葉をうまく言えたか判らない
君が敢えて自身の手で盾と剣を持つならば
僕はもう 何も言わない
少しでも君の未来が明るくなる事を願いつつ
アリアドネーの糸をそっと君に手渡すだけ
それが何であるか悟られないように
君を動かしているものが何なのか 僕にはさっぱり解からない
共感も感心しないその考え
理解する必要がないと思った時、事態は更に悪化していた
夢のない眠りを手にする為に 必死になる君
"生きる事" "死ぬ事" "倖せ"
それらを全て無意味にした元凶を 僕は知っている
それらに意味を取り戻させようとした事を拒んだ君
僕は君の恋人になりたいわけじゃあない
僕は君の伴侶になりたいわけでもない
君は自身の未来を潰そうとしている
それを止められるのであれば
僕は転生の権利を奪われても構わない
僕がなりたいのは 君を変えられる存在の一つ そう、未来の君の一部分
しきたりがなければ僕等は出逢うことはなかった
しきたりがなければ 君は自由なままだった
それを呪うべきか呪わざるべきか
これはジョハリの窓を覗くような複雑な思い
君の戦いの成功を望むべきか望まざるべきか
それはロールシャッハ試験の結果を読むような気分
これを最期の別れとしないなら
時の円りが満ちる時
再び巡り逢う為に別れたと そう思っても良いのだろうか・・・・・・
二度目の巡り逢い それが一体何を意味するのか
次に君の瞳に僕が映るその瞬間 何が起こるのか
君が糸を受け取ってくれたその時から
その未来が決まっていると 僕には判り切っていた
だから
・・・・・・・後悔はしないよ